眉をひそめる・眉をしかめる・顔をしかめるの意味!間違いはどれ?

みなさんは電車に乗っていて、声のトーンを落とすわけでもなく、周りのことも気にせずに携帯電話で会話をしている人を見たことはありませんか?

このような場面に居合わせた時、「うるさいな」「迷惑だな」といった心の声がつい顔に出てしまうことがありますよね。

そのような時の状況を表す際、例えば「隣の人の携帯電話の声に」の後に言葉を続けるとしたら、「眉をひそめる」「眉をしかめる」「顔をしかめる」みなさんはどれを使いますか?

どれも似ていて同じことを表しているように思えますが、実際はどうなのでしょうか。

この記事では「眉をひそめる」「眉をしかめる」「顔をしかめる」の意味について解説していきたいと思います。

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「ひそめる」と「しかめる」とは?

どちらも眉間にしわを寄せて難しそうな顔をしているイメージが浮かびますが、正しくはどうなのでしょう。まずは「ひそめる」と「しかめる」の意味からみていきます。

「ひそめる」と「しかめる」の意味

「ひそめる」の意味を調べると、

(「眉をひそめる」の形で)眉の辺りにしわをよせる。不快な時や悲しい時の表情にいう。顔をしかめる。

「しかめる」の意味は、

(不快などの気持ちを表して)眉の辺りや額にしわを寄せる。

「ひそめる」も「しかめるも」漢字では「顰める」と書き、どちらも不快である時に眉の辺りにしわを寄せた表情のことを指しています。

「眉をひそめる」「眉をしかめる」「顔をしかめる」の意味

「ひそめる」と「しかめる」が類似する意味であるということを踏まえ、「眉をひそめる」「眉をしかめる」「顔をしかめる」この3つの言葉について考えていきましょう。

「眉をひそめる」と「眉をしかめる」

「眉をひそめる」の意味は、

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心配なことがあったり、また、他人の嫌な行為に不快を感じて顔をしかめる。

一方の「眉をしかめる」の意味を調べてみると、実はありませんでした。

このことから、不快感を表したり、心配事があったりする時に使用されるのは「眉をひそめる」が正しく、「眉をしかめる」は間違いであることがわかります。

また、文化庁が発表した平成26年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方とされる「眉をひそめる」を使う人と本来の言い方ではない「眉をしかめる」を使う人の割合が、44.5%で同じ割合という結果が出ています。

しかしながら実際には、文化庁の調査にあるように、本来の言い方と、間違えた言い方が同じ割合で使用されています。

ではなぜ「眉をしかめる」というこのような誤用が生じたのでしょうか。そこで気になるのが「顔をしかめる」という言い方です。

「顔をしかめる」とは?

「顔をしかめる」の意味を調べてみると、

不快などから表情をゆがめる。「顔を顰める」とも書く。ちなみに「顰める」は「ひそめる」とも読む。と解説されています。

つまり、「顔をしかめる」「眉をひそめる」どちらも同じ意味です。「眉をひそめる」の意味を調べた辞典の解説の中にも顔をしかめるとありました。

「眉をしかめる」という間違った使い方がうまれたわけ

「眉をひそめる」と「顔をしかめる」、もともと類似した意味のこの2つの言い方が存在し、「ひそめる」「しかめる」を漢字で表記すると「顰める」であることから2つを混同し、本来の言い方ではない「眉をしかめる」という誤用がうまれたと考えられます。

正しい表現として使うべきは「ひそめる」のは「眉」であり、「しかめる」のは「顔」なのです。

まとめ

最初にあげた電車の例「隣の人の携帯電話の声に」の後に言葉を続けるとしたら…に対する答えは既におわかりですね。「眉をひそめる」と「顔をしかめる」が正解で「眉をしかめる」は間違いです。

不快な気持ちを表現する時に使うのは「眉をひそめる」「顔をしかめる」なので、正しい言い方で使用しましょう。

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