コビトカバ(別名ミニカバ)は大人でもカバの赤ちゃんに見えるミニサイズのカバです。
私たちが持つカバのイメージを覆す大きさのコビトカバは、カバの祖先の姿を今に残す「生きた化石」と呼ばれています。
コビトカバはジャイアントパンダ、オカピと共に「世界三大珍獣」にあげられている激レア動物です。
頭数が少なく希少なコビトカバですが、実は日本の5ヶ所の動物園で飼育されています。
この記事では、コビトカバの生態や飼育されている動物園について紹介します。
世界三大珍獣コビトカバの特徴
世界三大珍獣コビトカバの特徴はその名の通り、体の小ささです。動物園によってはミニカバと呼ばれています。
コビトカバの体長は150~170cm、体重は180~250kgです。
一般的なカバの大きさが、3.5~4mで体重が1.5~3tですので、もうあらわす単位すら違いますね。
コビトカバは一般的なカバと比べて、見た目は半分で重さが10分の1、赤ちゃんカバと間違えてしまう大きさです。
顔の特徴で見ると、コビトカバは小顔で鼻先に丸みがあり目は飛び出ていません。
一方、一般的なカバは大きな顔で側面に「鼻・目・耳」が一直線に並んでいます。
これは普段の生活にコビトカバと一般的なカバに違いがあるからです。
コビトカバは他のカバと一緒で、肌の乾燥には弱いですが、森林や沼地など湿気が高い場所で生活するため水中にはほとんど入りません。
普通のカバは、ほとんど水中で生活しているので、水面に鼻と目が出るようになっています。
おそらくカバの祖先の姿と言われるコビトカバから、進化したカバが普通のカバになったからではないでしょうか。
世界三大珍獣と呼ばれるのも、進化しないまま現代にその姿を残しているからですね。
コビトカバの生息地
野生のコビトカバの生息地は、西アフリカのリベリア、ギニア、コートジボワール、シエラレオネです。
コビトカバの学名「Choeropsis liberiensis」の「liberiensis」はリベリア産という意味があり、1800年代に初めてリベリアで発見されました。
当時はカバの小型種とされ、20世紀前半までカバの祖先と認められていませんでした。
コビトカバは絶滅危惧種
コビトカバは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種(EN)になっており、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いとされています。
ナイジェリアやマダガスカルでは絶滅してしまいました。
野生では約3000頭しか生息していません。
生息数減少の原因は、開発による森林破壊や食用目的の乱獲です。
コビトカバ・ミニカバがいる動物園
日本国内でコビトカバに会える動物園を紹介します。
日本ではたった5園でしか会えない貴重なコビトカバです。
他の世界三大珍獣(ジャイアントパンダ、オカピ)もいる動物園もありますので、ぜひ行ってみてはいかがですか?
恩賜上野動物園(東京都)
上野動物園には東山動植物園より来園した「ショウヘイ(オス)」とアメリカのセントルイス動物園より来園した「エボニー(メス)」の夫婦が飼育されています。
この他にこの夫婦の子供「モミジ」と「ナツメ」の姉妹がいます。
上野動物園では、コビトカバの他にジャイアントパンダとオカピも飼育しているので全ての世界三大珍獣を観る事が出来ます。
いしかわ動物園(石川県)
いしかわ動物園にはオランダのオーフェルローン動物園より来園した「ノゾミ(メス)」とシンガポールのシンガポール動物園より来園した「ヒカル(オス)」の夫婦とこの夫婦の子供「ミライ(オス)」が飼育されています。
いしかわ動物園には残念ながら他の世界三大珍獣はいません。
東山動植物園(愛知県)
東山動植物園にいるコビトカバは、上野動物園のショウヘイ・エボニーの子供「コウメ(メス)」と「ユユリ(メス)」です。
東山動植物園にも残念ながら他の世界三大珍獣はいません。
NIFREL(ニフレル)(大阪府)
ニフレルは水族館、動物園、美術館のジャンルを超えたミュージアムです。
こちらではミニカバと呼んでいます。
シンガポールのシンガポール動物園より来園したオスの「モトモト」とメスの「フルフル」が飼育されています。
いずれカップルになることが期待されています。
ニフレルにも残念ながら他の世界三大珍獣はいません。
アドベンチャーワールド(和歌山県)
アドベンチャーワールドでは、上野動物園のショウヘイ・エボニーの子供「サクラ(メス)」が、ミニカバとして展示されています。
こちらではジャイアントパンダが5頭もいますが、残念ながらオカピはいません。
あとがき
日本の動物園でもコビトカバの繁殖に成功しています。
近い将来、大阪のニフレルでかわいい赤ちゃんが生まれると良いですね。