羊羹の由来は羊のスープ?日持ちする理由とは?ようかんの豆知識!

ようかんは漢字で書くと「羊」「羹」羊羹ですね。

どうしてあんこ(小豆)がメインの和菓子に「羊」が登場するのでしょうか?

また、この難しい漢字の「羹」とは一体どのようなものか気になりますよね。

そんな羊羹の由来やなぜ日持ちするのか?といった疑問を解決したいと思います。

さらに羊羹の豆知識やSNS映え(インスタ映え)する羊羹を紹介します。

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羊羹の由来は羊のスープ?

羊羹はもともと中国の料理で、羊の肉を使った羹(あつもの)が由来です。

羹とは魚や肉、野菜を入れた熱い吸い物「熱物(あつもの)」、つまりスープ料理です。

これが冷めると肉のゼラチンによって固まり、自然に煮凝り(にこごり)の状態になります。

煮凝りは、豚の角煮を冷蔵庫に入れて取り出した時を想像してください。

あの状態のことですね。プルプル感がどこか羊羹に似ていませんか?

この料理(羊羹)は、鎌倉時代から室町時代に、禅僧(仏教の修行をする人)によって「点心(てんしん)」(朝食と夕食の間に食べる箸休めの品)のひとつとして日本に伝わりました。

しかし禅宗では肉を食べることを戒律によって禁止していた為、小豆や小麦粉、葛粉などの植物性の材料を使い、羊肉に見立てた料理(精進料理)が作られました。

それが日本における羊羹の原型になったとされています。

羊羹の由来は羊肝餅

羊羹の由来には別の説も有り、これも羊と関係しています。

中国が唐(とう)と呼ばれていた時代にあった「羊肝餅」を遣唐使(けんとうし)が日本に伝えたと言われています。

「羊肝餅」はどのような料理(お菓子)かはわかりませんが、羊の肝臓と餅を想像すると中国の「羊羹」の原型だったのではないでしょうか。

羊肝餅→羊羹(中国の料理)→羊羹(和菓子)

最初は蒸し羊羹だった

鎌倉時代~室町時代に伝わった当初の羊羹は、小豆を小麦粉や葛粉と混ぜて作る蒸し羊羹でした。

この蒸し羊羹から「ういろう」が生まれました。

初めて練り羊羹ができたのは1589年です。

テングサ(寒天の原料)、粗糖、小豆あんを用いて炊き上げる日本独自のお菓子になりました。

江戸時代は練り羊羹が、庶民の間にも広まり市販されていました。

後に水分を多くした水羊羹がつくられるようになり、御節料理として冬の時季に食されました。

夏のイメージがある水羊羹ですが、もともとは冬の食べ物だったのですね。

羊羹はどうして日持ちするの?

羊羹は砂糖を多く含んでおり、羊羹重量の半分以上を占めます。

梅干が塩漬けで日持ちするように、羊羹は砂糖で日持ちします。

羊羹は水分が少ないため、密閉することで酸素に触れず、細菌は繁殖できません。

だから夏の暑い時期でも、直射日光を避け炎天下などの暑い場所でなければ常温保存ができます。

日持ちしない羊羹は?

羊羹は原材料や水分量、製法の違いにより賞味期限が異なりますが一般的に、「水羊羹」や「蒸し羊羹」が日持ちしません。

特に蒸し羊羹は賞味期限に注意が必要です。

羊羹の豆知識

ここまで様々な羊羹が出て来ましたが、その違いや羊羹の豆知識を紹介します。

豆知識と言っても小豆(あずき)の知識ではありません!

【羊羹の種類】
練り羊羹(煉羊羹):寒天を多く含み固い
水羊羹:寒天が少なく柔らかい
蒸し羊羹:寒天を使わずに小麦粉や葛粉を加えて蒸し固める
玉羊羹:ゴム風船の中に入った丸い形状

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和菓子のなかでも羊羹は「棹物(さおもの)」に分類され、もともとの数え方は1棹、2棹(ひとさお・ふたさお)と数えます。

インスタ映えする羊羹は?

福島県会津若松市の老舗菓子店「本家長門屋」さんが作る羊羹ファンタジアは、羊羹はもちろんパッケージもかわいいと話題になっています。

切った断面の柄が変化することで、切り分ける楽しさも一緒に味わうことができます。

インスタ映えする羊羹として、お土産やプレゼントで人気があります。

羊羹に関する記念日

和菓子の代表でもある羊羹の記念日を紹介します。

【ようかんの日:10月8日】
美味しくて疲労回復に良いとされるビタミンB1を多く含む羊羹を食べて、元気になってもらうのが目的として「ようかんの日」ができました。

日付は食欲の秋の10月と縁起の良い言葉の「八福」にちなんで8日となっている他に、10と8で「いと(10)おいしいよう(8)かん」の語呂合わせが由来です。

【和菓子の日:6月16日】
848年の6月16日は、時の仁明天皇が16個の菓子や餅を神前に供えて、疾病よけと健康招福を祈ったとされています。

室町時代末から始まった年中行事で、菓子を食べ、厄除招福を願う「嘉祥(かじょう)」という行事に由来します。

【あずきの日:毎月1日】
毎月1日にあずきを食す習慣を広めたいとの願いから毎月1日は「あずきの日」です。

あとがき

羊羹の由来が中国から伝わった羊のスープだったのにはビックリしました。

今は5年以上日持ちする羊羹やインスタ映えする羊羹など種類もたくさんあります。

自分好みの羊羹を探してみてはいかがでしょうか?

井村屋さんの「えいようかん」はオススメです。

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