「ゴネる」の意味と語源!「こねる」「ごてる」との違いとは?

「ゴネる」という言葉をご存知ですか?例えば、何かの提案があった時に、その内容をすんなりと受け入れずに、ぐずぐずと文句を言った、または言われた経験はないでしょうか。このような状況を「ゴネる」と表現します。

この「ゴネる」、もともとは違った意味で使われていたようです。「ゴネる」の語源を辿ると、「こねる」「ごてる」という言葉が関わっていることがわかります。

この記事では、「ゴネる」の意味と語源の解説をメインに、「こねる」「ごてる」との関連や違いについてもご紹介したいと思います。

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「ゴネる」の意味とは?

それでは「ゴネる」の詳しい意味と語源についてみていきましょう。

「ゴネる」には、「不平・不満・要求をくどくどと言いたてる。文句をつける。」という意味があります。「ゴネる」を使った例文を一つあげてみます。

・学園祭の企画物の話し合いで、提案もろくにしないくせに、人の意見にああだこうだとゴネるクラスメイトに腹が立った

上記のように「ぐずぐずと文句を言う」の意味で、みなさんも「ゴネる」という言葉を認識しているのではないでしょうか。このように使われるのが一般的だと思います。

このほかに「ゴネる」にはもう一つ「死ぬ・くたばる」という意味があります。

では「ゴネる」の意味がこのようになっていった由来を次ではみていきたいと思います。

「ゴネる」の語源

「ゴネる」は本来、江戸時代に「死ぬ」という意味で使われていたそうです。その語源は、仏教では釈迦の死を「御涅槃(ごねはん)」といい、「ゴネる」はその「御涅槃」が動詞化したものとされています。

一方、現代では当たり前となっている「ぐずぐずと文句を言う」の意である「ゴネる」の語源は、「こねる」「ごてる」との混同によって生じたとされています。

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「こねる」は「無理なことをあれこれと言う」という意味として、江戸時代からあった言葉だそうで、「文句を言う」ことを表現するには「ゴネる」ではなく「こねる」を用いていたのです。

「こねる」は「駄々をこねる」や「理屈をこねる」などのように、今でも無理なことをしつこく言う意味で使いますね。

さらに、明治時代以降になると、「ごてる」という言葉が「ぐずぐず不平や文句を言う」の意味として使用されるようになります。「契約内容にごてる」のように使います。

この「ぐずぐずと文句を言う」の意を持つ「こねる」が、明治以降の「ごてる」という言葉の出現により、どちらも意味が似ていたことから、「こねる」と「ごてる」を混同し、「ゴネる」という間違った言葉となり、本来は「死ぬ」の意味で使われていた「ゴネる」が、「ぐずぐずと文句を言う」の意味として定着していったとされています。

「ゴネる」と「こねる」「ごてる」との違いとは?「ゴネる」の使い方

「ゴネる」の語源から、「こねる」「ごてる」という言葉が出てきましたが、ここで「ゴネる」と「こねる」「ごてる」との違いをまとめてみます。

「ゴネる」と「こねる」「ごてる」との違い

「ゴネる」と「こねる」「ごてる」との違いは、「ゴネる」にはもともと「死ぬ」ことを表す意味しかなかったのに対し、「こねる」と「ごてる」は「あれこれと文句を言う」という意味を最初から持っていることにあります。

「ゴネる」は、「こねる」と「ごてる」この二つの言葉による誤解から、本来の意味からはかけ離れた、新たな意味が生まれた言葉といえます。

このような経緯を辿り、今では「ゴネる」も、「こねる」「ごてる」と同様に「ぐずぐずと文句を言う」ことを表す言葉となっています。

「ゴネる」の使い方

・職場の先輩が、希望の日に休暇が取れないことをゴネている
・子供が、自分の嫌いなものが入っているのをみつけると、絶対に食べたくないとゴネるので困っている
・要求された条件にゴネるだけでなく、何か提案をしてみたらどうか

まとめ

言葉には本来の意味とは違った使われ方をするものが多々あります。その中には誤解から生じて、いつの間にかその意味が正しいものとして認められるようになるものがあります。「ゴネる」もその言葉の一つです。

「ゴネる」とはあまり良い意味で使われることのない言葉のように思いますが、物事を知る上で納得のいかぬまま進めてしまうよりは、たまには「ゴネて」粘ってみるのも良いかもしれません。

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