「厭わない」の意味と使い方!そもそも「厭う」とはどんな意味?

「厭わない」という言葉をご存知ですか?「あなたのためならどんな苦労も厭わない」このようなセリフを、ドラマや小説、マンガなどで見聞きしたことはないでしょうか。

「厭わない」は日常ではあまり使用頻度は高くわないと思われますが、ビジネスシーンなどでは使われることがあるかもしれませんね。

「厭わない」という言葉は「厭う」に否定の「ない」がつくことでできているのですが、そもそも「厭う」とはどのような意味なのでしょうか。

この記事では、「厭わない」の意味と使い方について、「厭う」の意味をもとに、解説していきたいと思います。

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「厭う」の意味とは?

「厭わない」は「いとわない」と読みます。まずはベースとなる「厭う(いとう)」の意味からみていきましょう。

「厭う」には「嫌がる・嫌に思って避ける」、「大事にする・いたわる」という意味があります。また、「世を厭う」の形で「世間を嫌って離れる・出家する」という意味もあります。

次ではそれぞれの意味での使い方を例文とともにみていきます。

「嫌がる・嫌に思って避ける」としての使い方

「厭う」を「嫌がる・嫌に思って避ける」の意味で使った例文としては、次のようなものがあげられます。

・今日は外出するのを厭うほどの暑さだ
(今日は外出するのを避けたくなるほどの暑さだ)
・父は体調が悪くても、病院に行くことを厭う
(父は体調が悪くても、病院に行くことを嫌がる)

自分にとって嫌なことを避ける、面倒臭がるといった気持ちを表現しています。

「大事にする・いたわる」としての使い方

「大事にする・いたわる」としての「厭う」は主に健康について使います。

・お身体、お厭いください
(お身体、いたわってください)
・いつも元気な母だが、高齢なので無理をせず、自分の体を厭うように言った
(いつも元気な母だが、高齢なので無理をせず、自分の体を大事にするように言った

よく手紙などで相手に対して、お身体を大切にという意味で「お身体、ご自愛ください」と文章にしますよね。「お厭いください」という言葉もこれに同じと考えてよいでしょう。

「世間を嫌って離れる・出家する」としての使い方

「世間を嫌って離れる・出家する」という意味では次のように使います。

・彼は何もかもを捨て、世を厭うように山に籠ってしまった
(彼は何もかもを捨て、世間を嫌うように山に籠ってしまった)
・仕事を辞めて世を厭った友人は、のちに立派な僧侶となっていた
(仕事を辞めて出家した友人は、のちに立派な僧侶となっていた)

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「厭わない」の意味とは?

「厭う」の意味がわかったところで、本題の「厭わない」の意味についてみていきましょう。

「厭う」の意味の中で、この「厭わない」に関係してくるものは「嫌がる・嫌に思って避ける」です。

「嫌がる・避ける」に否定の「ない」をつけると、「嫌がらない」「避けない」という意味へと変わります。そしてこれが「厭わない」の意味となります。

冒頭であげた「あなたのためならどんな苦労も厭わない」という文章の意味は「あなたのためならどんな苦労も嫌がらない」となります。

「厭わない」の使い方

ここでは「厭わない」の使い方を、例文をあげてみていきたいと思います。

・人の嫌がる仕事でも、労を厭わない彼の姿勢は上司に評価されている
(人の嫌がる仕事でも、労を避けない彼の姿勢は上司に評価されている)
・かわいい我が子のためなら、この命を差し出すことも厭わない
(かわいい我が子のためなら、この命を差し出すことも嫌がらない)
・どんな天候の中でも、農作物の手入れをすることを厭わない農家の方々には頭が下がる思いだ
(どんな天候の中でも、農作物の手入れをすることを嫌がらない農家の方々には頭が下がる思いだ)

「厭わない」の類語

「厭わない」の類語には、その意味である「嫌がらない」「避けない」のほかに「面倒臭がらない」「敬遠しない」などがあげられます。さらに「惜しまない」という言葉もあげられると思います。

「厭わない」の例文であげた「かわいい我が子のためなら、この命を差し出すことも厭わない」という文章は「厭わない」の意味通りに解釈すれば「命を差し出すことも嫌がらない」となりますが、「命を差し出すことも惜しまない」と表現する方が、しっくりくるように感じます。

「どんな天候の中でも、農作物の手入れをすることを厭わない農家の方々には頭が下がる思いだ」という文章も「農作物の手入れをすることを面倒臭がらない」と言い換えられます。

まずはその言葉の意味を理解し、その上で、うまく別の言葉で置き換えることができると、表現力も豊かになることでしょう。

まとめ

「厭わない」という言葉を、実際にはあまり使うことはないかもしれませんが、覚えておくことに損はありません。勉強することを厭わない、そのような姿勢を忘れずにいたいものです。

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