ライオンやトラなど動物園でもネコ科の動物は大人気です。
そんなネコ科の中でも小柄だけどペットの猫よりも大きいウンピョウについて紹介します。
ウンピョウとはどんな動物?
ウンピョウは、身体の側面にある模様が雲に似ているから「雲豹」と呼ばれるネコ科の動物です。
ヒョウの名前がついていますが、ネコ属とヒョウ属には分類されず、本種のみでネコ科ウンピョウ属を構成しています。
身体はヒョウやチーターよりも小柄で体長60~110cm、尻尾の長さ55~90cm、体重は20kg前後です。
人間で例えると、幼稚園児~小学校低学年くらいですね。
ウンピョウは、ネコ科の動物の中でも身体の大きさに対する犬歯の長さの割合が最も大きく、小型哺乳類や鳥類、ヘビなどを食べる動物食です。
こんな小さな身体ですが、イノシシやシカを食べる事もあります。
夜行性ですが動物園では元気に動き回っています。
ウンピョウの生息地
ウンピョウは、インドや中国南部、インドネシア(スマトラ島、ボルネオ島)マレーシア、ベトナム、ネパール、タイ、ラオス、ミャンマーの標高2000~3000mにある森林地帯に生息しています。
木の上で単独で生活して、群れは形成しません。
現在は絶滅してしまいましたが、台湾に生息していたことから、別名「高砂豹(タカサゴヒョウ」や「台湾虎(タイワントラ」と呼ばれています。
高砂とは、16世紀~19世紀頃まで日本で用いられていた台湾の別名「高砂国(タカサゴコク」から由来しています。
ウンピョウは絶滅危惧種
ワシントン条約では、絶滅のおそれのある動物として保護されており、レッドリストカテゴリーでは、絶滅危惧II類(VU)になっています。
絶滅の原因は、人間との関係が大きいです。
開発による森林破壊が一番の原因です。
その他にも毛皮や牙、漢方薬用、ペット用、動物園での飼育用などの乱獲などにより生息数は減少しています。
もちろん現在はペットとして飼うことは出来ません。
また寿命は13~15年とされており、野生の環境ではもっと短い可能性があります。
日本国内の動物園でも高齢化の為、訃報が続いています。
【のいち動物公園】
コハクちゃん(メス):2017年2月に17歳で永眠
【旭山動物園】
プータオちゃん(メス):2017年7月に15歳で永眠
【天王寺動物園】
ショウくん(オス):2018年1月に14歳で永眠
ウンピョウがいる動物園
日本でも個体数が少ない希少なウンピョウがいる動物園を紹介します。
日本国内では、3園でウンピョウを飼育していますが、個体の高齢化が進んでいます。
早く会いに行きましょう。
よこはま動物園ズーラシア
ズーラシアではこれまで6回の繁殖に成功しています。
ウンピョウはローテーションで展示しているため、会えないこともあります。展示していない個体もいます。
【コーラルくん(オス)・マリンちゃん(メス)】
誕生日:2007年3月26日
【ボちゃん(ブーちゃん)(メス)・スパイダーくん(オス)】
誕生日:2012年4月14日
出身地:シンガポール
【タヤちゃん(メス)】
誕生日:2013年11月22日
出身地:チェコ共和国(オストラバ動物園)
高知県立のいち動物公園
【リュウくん(オス)】
誕生日:2003年9月10日
福岡市動物園
福岡市動物園では、熊本地震で被災した熊本市動植物園より2頭が緊急避難しました。
【ジュールくん(オス)・イーナちゃん(メス)】
誕生日:2004年9月1日
イーナちゃんはズーラシアのコーラルくんとマリンちゃんのお母さんです。
あとがき
ウンピョウは国内の動物園ではわずか3園しか会うことが出来ません。
個体の高齢化が進み繁殖が期待できる動物園はズーラシアだけです。
かわいい赤ちゃんが産まれることを期待しています。