このゼブラ柄のタイツを穿いたような動物をご存知ですか?
この傾奇者(かぶきもの)のような姿をしたシマウマ似の動物がオカピです。
オカピはジャイアントパンダ、コビトカバとあわせて「世界三大珍獣」と呼ばれています。
頭数が少なく希少なオカピですが、実は日本の動物園でも飼育されています。
この記事では、オカピの生態や飼育されている動物園について紹介します。
世界三大珍獣オカピとは?
オカピが世界三大珍獣と呼ばれる理由は、詳しいことはわかりません。
おそらくその見た目の不思議さと約1千万年前から姿を変えずに生きてきた事からだと思います。
身体の特徴である脚が、縞模様で美しい事から「森の貴婦人」と呼ばれています。
そして、ずっと昔から姿を変えずに生きてきた事から「生きている化石・生きた化石」とも呼ばれています。
祖先種の形状を色濃く残している生物は、ゴキブリやカブトガニが有名ですが、オカピも同様に昔から存在していました。
この様に謎が多い動物だから世界三大珍獣と呼ばれているのかもしれません。
オカピはどんな動物?
オカピは、アフリカのコンゴ民主共和国とガボン共和国の森林地帯に生息しています。
もちろん草食性で、主に木の葉や芽、果実、地上の草などを食べます。
身体の大きさはウマに似ており、全長(頭からお尻)190~250cm、体重200~250kgです。
胴体は黒褐色からやや明るい茶色で脚がゼブラ模様になっています。
このゼブラ模様はオカピが生息する森林での保護色(カモフラージュ)の役目があり、同種間での目印にもなっています。
普段は群れをつくらずに単独で生活している為、警戒心が強くその存在を隠して生きてきました。
オカピはキリンの先祖?
オカピはシマウマのような見た目ですが、実はキリンの仲間です。
偶蹄目(ぐうていもく)キリン科オカピ属に分類され、キリン科は、キリンとオカピの2種の動物しかいません。
キリンと共通する特徴は、
・ふたつに分かれた蹄(ひづめ) ※奇蹄目(きていもく)に属するシマウマは蹄がひとつ ・2本のツノがある ・長い舌を持つ
この3つの特長があり、オカピはキリンの先祖に近いとされています。
元々は森林で暮らしていたオカピの仲間から、草原に適応する為に進化したのがキリンだったのです。
オカピの存在
オカピの存在が世間に知られるようになったのは、実は20世紀に入ってからでした。
1900年にイギリスの探検家ハリー・ジョンストンが、当時ベルギー国王レオポルド2世の私領地コンゴ自由国(後のコンゴ民主共和国)で、先住民のピグミー族がオカピの毛皮を使っているのを発見しました。
この時は、毛皮がシマウマに似ており、また分布が同じことから、オカピはシマウマの一種とされていました。
1901年にハリー・ジョンストンはメスのオカピを発見し、その毛皮と頭蓋骨をロンドン自然史博物館に送りました。
その後、頭蓋骨などを分析した結果キリン科に属する動物であることがわかりました。
オカピの学名「Okapia johnstoni」は、ハリー・ジョンストンの名前が由来です。
オカピは絶滅危惧種
オカピは、レッドリストカテゴリーの絶滅危惧種(EN)になっており、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いとされています。
コンゴ民主共和国には、オカピ野生生物保護区があり、現在地球上に生息しているオカピの全頭数は1万頭~2万頭と推測されています。
動物園で飼育されているオカピは、ここで産まれた子だけで、種の存続の為に必要最小限の数だけでとても希少です。
ここの保護区は1996年にユネスコ世界遺産に登録されています。
頭数が減った原因は?
現在はコンゴ民主共和国で保護されていますが、ウガンダでは絶滅してしまいました。
生息数減少の原因は、肉や毛皮を狙った密猟や天敵のヒョウなどが考えられています。
飼育されているオカピの寿命は約15年と言われていますが、最近ではもっと長生きしています。
ちなみに野生での寿命についてはわかりません。
また妊娠期間が440~460日と長く、1回の出産で1頭しか生まれません。
そのため増える頭数よりも減る頭数が多いと考えられます。
オカピがいる動物園
日本国内でオカピに会える動物園を紹介します。
3園で7頭しかいない貴重なオカピです。
他の世界三大珍獣もいる動物園もありますので、ぜひ行ってみてはいかがですか?
上野動物園
上野動物園では、世界三大珍獣(オカピ、ジャイアントパンダ、コビトカバ)の全ての動物を飼育しています。
ジャイアントパンダ親子の「シンシン」と「シャンシャン」が大人気の動物園です。
よこはま動物園ズーラシア
オカピを1999年に日本で初めて公開した動物園です。
よこはま動物園ズーラシアでは、オカピの繁殖に成功しています。
残念ながら他の世界三大珍獣はいません。
金沢動物園(横浜市)
2018年5月22日によこはま動物園ズーラシアからオカピのトトくんがやってきます。
トトくん(オス)は、平成18年8月にズーラシアで生まれ、母親はピッピちゃん、父親はホダーリくんです。
公開日は公式ホームページで発表されます。
コチラの動物園にも残念ながら他の世界三大珍獣はいません。
あとがき
ジャイアントパンダは大人気で有名なのに、同じ世界三大珍獣のオカピは人気も知名度もありません。
日本ではわずか7頭しかいないのに(涙)
今後、日本各地の動物園でオカピを観る事が出来れば良いですね。