バクと言えば『夢』を食べる動物で有名ですが、この白黒模様が特徴のマレーバクはご存知でしょうか?
実はこのマレーバク、赤ちゃんの時はイノシシの赤ちゃん「ウリ坊」にそっくりで、かわいいと話題になっています。
そんなマレーバクに会える日本の動物園を紹介します!
マレーバクとはどんな動物?
和名:マレーバク(馬来獏)
英名1:Asian tapir(アジアン・タペール)
英名2:Malayan tapir(マラヤン・タペール)
学名:Tapirus indicus (タピルス・インディカス)
【分類】
ウマ目(奇蹄目・きていもく)バク科バク属
ウマ目の現生群はウマ科、サイ科、バク科の3科に分類され、バク科バク属の現生種はマレーバク、ベアードバク(別名チュウベイバク)、ヤマバク、アメリカバク(別名ブラジルバク)の1属4種です。
【分布】
マレー半島(マレーシア)、スマトラ島(インドネシア)、タイ、ミャンマーの熱帯雨林に生息しています。
【形態】
体長は200~250cm、体重は250~300kgです。マレーバクは、バク科の中で最も体が大きい種です。
体の色は胴体部が白色、他の部分が黒色のツートンカラーになっています。
暗闇では黒い部分が目立ちにくく、白い部分だけが浮かび上がる、保護色(カムフラージュ)の役割があります。
鼻と上唇が一緒に伸びたゾウみたいな鼻を持ち、鼻をシュノーケルように使って泳ぎ、敵に襲われそうになると水中に逃げ込みます。
夜行性で目がよく見えないため、鼻が発達していて、においや音に対しとても敏感です。
足にも特徴がありバクの指は前脚が4本、後ろ脚が3本です。
【食べ物】
マレーバクの食べ物は「夢(悪夢)」ではありません。
野生では木の葉や草、果実などを食べる植物食性です。
動物園では、にんじん、さつまいも、りんご、草食獣用ペレット、青草などを食べます。
マレーバクの赤ちゃんがかわいい
マレーバクの赤ちゃんは、イノシシの赤ちゃん「ウリ坊」にそっくりです。
そんなかわいい赤ちゃんの白い斑点は、半年ほどで消えてしまいます。
マレーバクの妊娠期間は約13ヶ月(約400日)で、1回の出産で1頭の赤ちゃんを産みます。
寿命は約30年です。
マレーバクは絶滅危惧種
生息地ではペット目的の密猟や開発による環境破壊などで、生息数が減少しており、野生での生息数は1000頭ほどと考えられています。
ワシントン条約では、絶滅のおそれのある動物として保護されていて、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種(EN)になっており、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いとされています。
マレーバクがいる動物園
日本国内では12ヶ所の動物園でマレーバクを飼育しています。
群馬サファリパーク
静岡県の日本平動物園から来た「ヒカル(オス)」と北海道の円山動物園から来た「ワカバ(メス)」の間にかわいい赤ちゃんが産まれることが期待されています。
東武動物公園(埼玉県)
マレーバクの赤ちゃんの「コトちゃん(メス)」がいます。
多摩動物公園(東京都)
残念ながら2018年1月に「ユメ(メス)」と「ケン(オス)」の間に産まれた赤ちゃん「ソラ(メス)」が亡くなりました。
現在は「ユメ」と「ケン」の他に「リザ(メス)」と「ダイフク(オス)」とその子供「コウ」の計5頭を飼育しています。
千葉市動物公園
残念ながら2018年4月に「ユキミ(メス)」と「サコ(メス)」が亡くなり現在は「ユメタ(オス)」1頭だけの飼育となっています。
よこはま動物園ズーラシア(神奈川県)
「カイム(オス)」と「タケコ(メス)」が天敵スマトラトラの近くで展示されています。
ズーラシアの敷地内にある横浜市繁殖センターでは、マレーバクなどの希少野生動物の飼育・繁殖に取り組んでいます。
日本平動物園(静岡県)
アドベンチャーワールドから来た「フタバ(オス)」を飼育しています。
東山動植物園(愛知県)
「サチコ(メス)」と「ヒサ(オス)」を飼育しています。
アドベンチャーワールド(和歌山県)
アドベンチャーワールドにいる母親マレーバクは3回の出産を経験しています。
愛媛県立とべ動物園
「ダン(オス)」と「ロコ(メス)」の2頭を飼育しています。
普段は分離して飼育していますが、メスの発情期には同居をさせて繁殖を試みています。
広島市安佐動物公園
残念ながら2018年5月に「ミム(メス)」が亡くなりました。
ミムの子供「ハイジ(メス)」を飼育しています。
父親の「ピース」も2017年に亡くなっています。
福岡市動植物園
「ジュリ(オス)」は国内マレーバクの最高齢です。その他に「ユメコ(メス)」と「ジュムリ(オス)」の計3頭を飼育しています。
長崎バイオパーク
「イム(オス)」と「バルタム(メス)」とその子供「プルサ」の計3頭を飼育しています。
あとがき
絶滅が危惧されているマレーバクに会いに動物園に行ってみてはいかがでしょうか?
大人のマレーバクもかわいいですよ。
バクに興味がある人は、毎年4月27日の「世界バクの日」に、バクを飼育している動物園に行くことをオススメします。