「好々爺」見た目にインパクトのある言葉ですね。字面からおじいさんに関する言葉ということはわかりますよね。
でも、好々爺の読み方や意味・使い方まではよくわからない方もいると思います。
また、読み方や意味は知っていても女性(おばあさん)には「好々婆?」が使えるのか?といったような疑問があるかと思います。
そこで今回は「好々爺」の意味を深掘りしていきたいと思います。
さらに使い方を例文とともにお伝えしますので、機会があればぜひ使ってみてください!
好々爺の読み方は?
好々爺の読み方は「こうこうや」です。
よくある間違いは「すきすきじい」や「よしよしじい」ですね。
「好」を「こう」と読むのはわかるけれど、まさか「爺」を「や」と読ませるとは!?
たまに「爺」と同じ意味を持つ「翁(おきな・おう)」と間違えて「すきすきおう」と読む方もいます。
爺と翁はホントややこしい言葉ですね。
好々爺とはどんな意味?
好々爺の意味を辞書で調べてみると「気のいいおじいさん。善意にあふれた老人。」と1行分しか説明がありませんでした。
でも、もう少し理解を深めたいですよね。そこで私の考えるこの言葉の意味やイメージをご紹介していきます。
いつもニコニコして穏やかなおじいさんを見かけたことがありませんか?
細かなことは気にせず、ただひたすら穏やかな笑みを浮かべ、幸せそうにしている…。縁側で微笑みつつ、のんびりとお茶を飲んでいるような感じです。
話し方も穏やかで、おおらかで、ちょっとやそっとのことでは動じない、波が立たない、「春の海」のような人です。
そんなお年寄りに接すると、こちらも細かいことがどうでもよくなり、穏やかな気持ちになってしまうような人物像です。
昔から、そんな男性のお年寄りのことを「好々爺」と呼んで、男性の老後の理想像のひとつとして、ポジティブな意味で使っていました。
また、「ご隠居さん」という言葉と似た印象があります。
しかし、「隠居」は「現役」を引退し、子どもの代に引き継いで、自分は余生を楽しみ、送っているような意味になりますので、その人物の特徴を示すものではありません。
女性の場合は?「好々婆」という言葉はあるの?
「好々爺」はよく聞きますが「好々婆(こうこうばあ)」という言葉は存在するのでしょうか?
残念ながら、「好々婆」という言葉は存在しないようです。
辞典によっては、「『爺』は老人一般を表す場合もあるので、女性にも使える」と説明されています。
しかし、普通一般の生活の中で、女性に対して「好々爺」を使うのはやはり違和感がありますね。
「爺」は老人一般をさすのだから、と辞書の内容にこだわって使ってしまうと、誤用ではないかと相手に思われる典型的な例だと思います。
優しくて感じの良いお年寄り女性を表すには「やさしそうなお婆さん」とか、「穏やかなお婆さん」と言うしか方法はないようですね。
好々爺の使い方は?例文を紹介!
「好々爺」を使った例文を紹介します。
1.私が電車で席を譲ったお爺さんは、「どうもありがとう」と素直に座り、逆に遠慮がなくて気持ちよかった。穏やかな印象がいかにも好々爺であった。
2.いつもニコニコとして、細かいことは気にしない好々爺の祖父であったが、若い頃は戦中戦後だったこともあり、それは波乱万丈であり、苦労したのだという。
3.私の結婚には大反対で結婚式には出ない!と主張し大騒ぎになった父であったが、数年後に孫が生まれると、目に入れても痛くないという勢いで、孫を溺愛する好々爺に変身した。
4.穏やかな雰囲気で、どこか飄々としている好々爺風の老紳士という印象だったので油断してしまった。だまされた!
5.若い時は誰だって苦悩や葛藤はあるものだ。そんな数十年を経たからこそ、あのお爺さんのような好々爺になれるというものだ。
いかがでしょう?例文でより「好々爺」の意味やイメージがはっきりしてきましたでしょうか?
使い方は本人に向かって言うのではなくて、第三者に向けて使っているのがわかると思います。
さいごに
今回は「好々爺」について読み方、意味、使い方をご紹介しました。
そして「好々爺」に対応する「好々婆」という言葉は存在するのか?ということについても考察してみました。
若い方は「好々爺」という言葉にはなかなか出会わないかもしれませんね。
でも高齢化の時代、お年寄りを表現する言葉はますますあちこちで見かけることになるかもしれません。
機会があったら使ってみていただけると幸いです。