私たちが日常使う「おもう」には「思う」と「想う」があります。
このふたつにはどのような意味の違いがあるのでしょうか?
また、調べていたら「おもう」には他の漢字もありましたので、使い分け方も一緒に紹介します。
「思う」と「想う」の違い
「思う」と「想う」と違いは、漢字の「心」の上にある「田」と「相」です。
この「田」と「相」にどのような意味があるか見ていきましょう!
共通している「心」は心臓の意味があります。
「思う」の意味
「思」の漢字は昔、「恖」と書いていました。
つまり「田」は「囟(シン」が変化したものです。
「囟」はもともと「頭蓋骨」の事ですが、わかりやすく言うと「頭」を意味しています。
したがって、「頭と心臓を中心とした考え」として使う言葉が「思う」です。
「思考」や「意思」などは、自分が中心になっています。
「想う」の意味
「相」は、「木」と「目」から成り立っています。
向こうにある木を対象として見ること、つまり相手がいることを意味しています。
したがって、対象(相手)に対して慕い求めるとき、その姿を頭に描く(イメージ)する場合に「想う」を使います。
「思う」と「想う」の使い分け
簡単に使い分けるには、「想う」は対象(相手)をイメージして、慕う場合や愛する場合です。
「思う」を使っても間違いではありませんが、より強い感情がある場合に「想う」を使います。
これ以外は一般的に「思う」を使います。
「おもう」の使い方
私たちが「おもう」を使う時に、どんな意味で使っているかをまとめました。
「思う」の使い方
「想う」を使えないのは、以下の通りです。
【考える・判断する・予想する】
・こっちの方が良いと~
・それは違うと~
・今からやろうと~
・この車は高いと~
【感じる】
・赤ちゃんはかわいいと~
・おやつをもらって嬉しいと~
・それをやったら彼は怒ると~
・ペットが亡くなったら悲しいと~
・みんなが集まると楽しいと~
【希望する】
・彼女が欲しいと~
・夏までに痩せたいと~
・給料があがれば良いと~
【気にする・心配する】
・この髪型は変だと~
・外に出ると寒いと~
いかがですか?「想う」を当てはめると違和感がありますよね。
上記は全て自分の考えが中心になっているので「思う」を使います。
「想う」の使い方
次の場合は「思う」と「想う」両方使えます。
しかし「想う」を使った場合、相手に対して自分の感情がより強く入ります。
・故郷を~
・妻を~
この場合「思う」より「想う」の方が、慕う気持ちや愛する気持ちが強く入ります。
歌のタイトルでも「思」より「想」を使う方が多いですよね。
より強い気持ちが伝わってきます。
憶う・念う・懐うの使い方
「憶う」、「念う」、「懐う」は全て「おもう」と読みます。
【憶う】
「記憶」の『憶』の意味で、忘れない気持ちの時に使います。
・亡き〇〇を憶う
・過ぎ去った青春のことを憶う
【念う】
「感謝の念」の『念』の意味で、いつも心にかけて考える時に使います。
・仏を念う
【懐う】
字の通り、なつかしくおもい慕う時に使います。
・両親を懐う
・遠い故郷を懐う
この様に漢字の意味を考えると使い分けができます。
また、この他にも「惟う」や「慮う」と使う場合もあります。
興味があれば漢字の意味からひも解いて下さい。
あとがき
「思う」と「想う」の意味はわかりましたか?
広く一般的に使う場合は「思う」で間違いありません。
「想う」を使うときは、対象となる相手を慕い求めるとき、その姿を頭に描く場合です。
この他に紹介した漢字は使うことは無いと私は思います。