あなたの周りで、ラッキーなことが起きた時に、「棚からぼたもち」や「棚ぼた」と言うのを聞いたことはありませんか?
では、なぜ『棚からぼたもち』がラッキーという意味になるのでしょうか?
この言葉の意味や由来、使い方について調べてみました。
実際にあった出来事の動画を一緒に見ていきましょう。
棚からぼたもちの意味
棚からぼたもちは、ことわざで『棚から牡丹餅』と書きます。これを略して『棚ぼた』と言います。
このことわざの意味は、
・思いがけない幸運が舞い込むことのたとえ。
・労せずしてよいものを得ることのたとえ。
意味を見ると、私たちの使い方に間違いが無かったとわかりますね。
他にも同じ使い方をすることわざがあります。
・開いた口へ牡丹餅
・鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負ってくる(かもねぎ)
・勿怪(もっけ)の幸い
反対の意味では、『棚から牡丹餅は落ちてこない』ということわざもあります。そのまんまですね(笑)
棚からぼたもちの由来
先ずは、ぼたもちが何なのか説明します。
ぼたもちは、もち米とうるち米を混ぜたものを、蒸して(炊いて)丸めたものに、餡(あん)をまぶした食べ物です。
お彼岸などでお馴染みの、おはぎのことです。
話を戻しまして、由来について、
棚から落ちてきたぼたもちが、ちょうど開いていた口におさまったことからです。
かつては砂糖が貴重なもので、庶民にとって甘い食べ物は、特別な時にしか食べられませんでした。
ですので、思いがけずに幸運が来た時に、棚からぼたもちという、ことわざを使います。
棚ぼたの使い方
あなたにも起こるかもしれない棚ぼたのシーンはコチラです。
・たまたま行った水族館で並んでいたら、前のお客様が列から外れて、あなたが入場者数10万人のお客様になり、オリジナルグッズがもらえたとき
・友達からもらった福引券で、一等の商品券がもらえたとき
・営業の仕事をしていて、営業もしていない得意先から、思いがけずに高額受注できたとき
オリンピックの棚ぼた
皆さんも一度は見たことがある有名な棚ぼたです。
2002年にソルトレイクシティで開催された、冬季オリンピックで奇跡的に金メダルを獲得した出来事です。
男子・ショートトラックスピードスケート1000mに出場した、オーストラリア代表のスティーブン・ブラッドバリー選手(世界ランク35位)の棚ぼた動画からどうぞ。
これぞまさに棚からぼたもちですよね。
金メダル獲得までの経緯
【1回戦】
幸運にも同じ組の対戦相手に強敵がいなかったため接戦となり、混戦を制して1位でゴールし準々決勝に進出します。
【準々決勝】
最終コーナーの直前で、日本人選手が転倒し3位でゴールしました。準々決勝では上位2人しか準決勝に進出できないため、本来ならここで敗退するところでした。
しかし、審判が最終コーナーの接触に妨害があったとして、2位のカナダ人選手を失格にして、ブラッドバリーが2位に繰り上がり、準決勝に進出します。
これが最初の棚ぼたです。
【準決勝】
スタート直後から終始最下位でした。ところがレース中盤、韓国の選手が転倒して4位にあがります。さらに最終コーナー直前で2人が転倒、2位でゴールします。
結局1位でゴールした日本人選手が、反則をとられブラッドバリーの1位通過になりました。
またもや棚からぼたもちです。
【決勝】
ここまで来ると実力の差は明らかです。スタート直後からどんどん離されレース終盤へ。ここで誰もが予想できないことが起きました。
先頭集団の4人が接触、全員が転倒しました。接触に巻き込まれなかったブラッドバリーが金メダルを手にしました。
準々決勝から3連続の棚ぼたで金メダルを獲得したブラッドバリー選手おめでとうございます!
金メダル獲得後
南半球では初めてとなる冬季五輪金メダルを獲得したため、オーストラリアではブラッドバリーの切手が発行されました。
オーストラリアの俗語辞典には、『棚からぼたもち』という意味で、『ブレッドバリーする(doing a Bradbury)』という言葉が掲載されています。
あとがき
棚からぼたもちの由来や意味、使い方はわかりましたか。
私は由来を想像してゾッとしました。だって、棚の上に直接ぼたもちを置いて、それが口に落ちてきたわけですからね。
金メダルはさすがに無いと思いますが、棚ぼたがあなたにもあるといいですね。