早くも導入から1年が経ち、言葉だけが浸透してきたプレミアムフライデー。略してプレ金!
プレ金って何?おいしいの?花金なら知っているけど、と思ったあなたにわかりやすくプレ金の目的を。
「本当に実施しているの?」、「私は関係ないわ!」って、感じたあなたにプレミアムフライデーの由来や、失敗の原因と2018年の現状を紹介します。
プレミアムフライデーとは?
プレミアムフライデーは、日本政府(経済産業省)と経済界が中心となって、2017年2月24日から始めた制度です。
制度の内容をわかりやすく簡単に説明すると、月末の金曜日は、早め(15時)に仕事を終えて、日常よりも少し豊かな時間を過ごそう!という取り組みです。
導入当初は、アイドルグループの関ジャニ∞を起用して、PR動画を作り、盛り上げていました。
プレミアムフライデーの目的
結論から言うと、働き方改革+消費喚起です。
経済産業省の方針としては、
個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光など)や、そのための時間の創出を促すことで、
【1】充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる。
【2】地域などのコミュニティ機能強化や一体感の醸成(じょうせい)につながる。
【3】(単なる安売りではなく)デフレ的傾向をかえていくきっかけとなる
といった効果につなげていく取り組みです。
分かりやすく説明すると、いつもよりも早く帰って、いっぱいお金をつかってね。という取り組みです。
月末の金曜日にしているのは、給料日の後で財布のひもが緩む時期だからです。
プレミアムフライデーの由来
プレミアムフライデーは、アメリカで普及しているブラックフライデーをモデルにしています。
アメリカでは、感謝祭(11月第4木曜日)の翌日になります。この日は大バーゲンセールが全米各地で行われ、小売業界では1年で最も売り上げを見込めるとされています。
日本では2016年から、イオングループなどが本格的なブラックフライデーのセールを始めました。
牛丼の吉野家はスーパーフライデーですので、関係ありません。
プレミアムフライデー失敗の原因
プレミアムフライデーが失敗している原因は、次の通りです。
・日程に無理がある
多くの企業では、月末に月締めを行っています。それに加えて決算時期になると、日常業務も同時に行うため、最も忙しくなります。
・他の日の残業が増えるだけ
一日の仕事量が減る訳ではありません。結局その分の仕事を前倒しするか、後回しにするしかありません。
・業種が限られる
例えば、早く帰って買物や食事に行くとしても、そこで働いている店員さんはどうでしょうか?いつもより早めに仕事に行って準備をしなければいけません。
特に、小売・飲食・サービス業は人手不足が問題になっていますよね。
・給料の問題
時間給の人は勤務時間が減ると、貰えるお金も減りますし、正社員でも、残業代をあてにしている人もいっぱいいます。
結局は早く帰ったとしても、消費活動にはつながりません。
今後の課題
・月末金曜日にこだわらない
・フレックスタイム制導入など、勤務時間の自由化
・業種によって隔たりが大きい
・消費活動につなげるアイデア
プレミアムフライデーのメリット
・働き方改革
・生産性の向上(社員の意識改革)
・経済効果への期待
プレミアムフライデー2018年の現状
経済産業省の調査(2018年2月16日現在)
・認知度:約9割、理解度:約7割と高水準で推移
・ロゴマークの申請件数:8182件、開始時は4261件(+92%)
・早期退社などに取り組む企業数:800社、開始時は130社(+515%)
プレミアムフライデーの実施効果
プレミアムフライデーにあわせたイベントやキャンペーンの実施効果(1130社の調査)は、売上が増えた・やや増えたと回答した企業が2割強。来客数が増えた・やや増えたと回答した企業が約2割。
プレミアムフライデーを契機とした働き方改革の実施内容(351社の調査)は、半数以上の企業が『有給休暇取得の推進』、『定時退社推進』を実施。
働き方改革を実施した理由は、『社員のモチベーション向上』が31.6%、次に『社員のプライベートの充実をはかるため』が22.2%。
早期退社率の結果
全国(47都道府県)の有職者(20-59歳の男女・正規社員(職員)非正規も含める2015サンプル数)
早期退社率は平均で11.2%。大企業が16.4%、中小企業・零細企業で10.2%。
地域別で見ると、東京都が15.2%に対して地方では約12%。
あとがき
プレミアムフライデーの内容はわかりましたか?
成功か失敗か見極めるにはまだ早いです。クールビズも定着には時間がかかりました。
今後の改善に期待したい制度ですね。