突然ですが、芒種(ぼうしゅ)って聞いたことありますか?
もしかしたら手紙やハガキの冒頭のあいさつで、『芒種の候』と書いてあるのを、見たことがあるかもしれません。
季節をあらわす季語としても、使われている言葉『芒種』
そこで気になる、2019年の芒種はいつ?
今回は、この『芒種』のについて、意味や由来、時期について見ていきましょう。
芒種2019年はいつ?
芒種は毎年6月6日頃に訪れ、今年2019年は6月6日(木)です。
芒種は、決まった日にあるのではなく、年によっては前後します。
それは、二十四節気という1年を24等分した暦を使って、季節をあらわしているからです。
芒種は、二十四節気で見ると立春から始まり9番目の期間で、小満と夏至の間にあります。
日付だけではなく、期間としての意味もあり、6月6日頃から夏至の前日までの期間を、芒種といいます。
芒種の意味や由来
※こよみ便覧には、芒種は「芒(のぎ)ある穀物、稼種する時なり」と記されています。
※1787年に出版された暦について書いてある書物
芒とは、イネ科の植物が実った時に、先端にある棘(とげ)のような突起の事です。
稼種する時は、簡単に言うと『種をまく時期』という意味です。
つまりは、イネ科の植物の種をまく時期という事です。
でも、稲の種まきはもっと早いと思いますよね。
それは、芒種が旧暦では5月節の事で、4月後半から5月前半の事を指しているからです。
ここでイネ科の植物、世界三大穀物の種まきの時期を見ていきましょう。
【小麦】
北海道が国内最大の生産量です。北海道では9月中旬~下旬に種をまきます。
【米】
新潟県が国内最大の生産量です。新潟では4月中旬に種をまきます。
【トウモロコシ】
北海道が国内最大の生産量です。トウモロコシは夏に収穫するため、5月~6月に時期をずらして種をまきます。
芒種は、イネ科の植物の種をまく時期となっていますが、実際はバラバラです。
由来は気にしない事にしましょう。
芒種期間の七十二候
二十四節気を約5日ずつ3つに分けた七十二候では、
気象の動きや動植物の変化を教えてくれます。
【初侯】6月5日~9日頃
螳螂生(かまきりしょうず):螳螂が生まれ出る
意味:秋に産んだ卵から、かまきりが誕生する時期
【次候】6月10日~15日頃
腐草為蛍(ふそうほたるとなる):腐った草が蒸れ蛍になる
意味:ホタルが腐った草の近くで、明かりを灯し飛んでいる時期
【末候】6月16日~20日頃
梅子黄(うめのみきなり):梅の実が黄ばんで熟す
意味:梅の実が熟して黄色く変わる時期
季語「芒種の候」の時期
手紙やハガキで、季節をあらわす季語として使う『芒種の候』。
芒種の時期が、6月6日頃~夏至の前日だから、この期間なら使えると思いますよね?
しかし、時候のあいさつで使う『芒種の候』は違います。
手紙やハガキは、ポストに入れてから到着するまで、日数がかかります。
これを踏まえて、数日前倒しで使っても構いません。
中旬になると夏至が近づいてきますので、『芒種の候』は、6月上旬までを目安に使います。
芒種の候の使い方
季語で使う『〇〇の候』の『候』は、コウと読みます。手紙の場合は『そうろう』とは読みません。
候は、様子をうかがう(伺候しこう)、待つ(候補)、きざし(兆候)、気象の状況(気候・天候)、季節を意味しています。
ビジネスで使う事が多い季語です。
【例文】
拝啓(頭語) 芒種の候(時候のあいさつ)、貴社ますます~(繁栄や健康を確信する言葉) さて、~略~(本文・用件) 〇〇何卒よろしくお願い申し上げます。(指導や支援をお願いする言葉) どうかご自愛~(発展や繁栄を願う言葉) まずは~(結びのあいさつ) 敬具(結語) 日付 差出人 宛名
6月の季語
6月をあらわす季語で、梅雨や入梅、紫陽花(あじさい)などがあります。
しかし、梅雨は場所や年によっては使えないこともありますよね。
その時の状況によって、季語を使い分けて下さい。
【参考】
向夏の候/入梅の候/梅雨の候/初夏の候/長雨の候
あとがき
芒種の意味や由来は、現在の暦と違うためわかりにくいと思いますが、なんとなく梅雨の時期が芒種という事はわかりましたか?
今年2019年は、6月6日です。
6月は祝日も無く、雨降りで出かけられない時期です。
そんな時は、季語に『芒種の候』を使って、いつもは書かない手紙を出してみてはいかがですか?