怠けている訳ではないのに、そのゆっくりとした動きからその名がついたナマケモノ。最近ではペットとしても人気があります。
そんなナマケモノは、実はフタユビナマケモノとミユビナマケモノに分けられています。
今回はそのフタユビナマケモノとミユビナマケモノの違いはどこなのか、生態や性格、特徴などを見ていきましょう!
ナマケモノの生態
ナマケモノの体長は約60~70cmで、体重は4~8kgです。
四肢(しし)は長く、前足の方が後足より長く発達しています。
長い鉤爪(かぎづめ)を持ち、それを木の枝に引っ掛けてぶら下がり生活しています。
南アメリカ、中央アメリカの熱帯林に生息しています。
食事や睡眠、交尾、出産など生涯のほとんどを樹にぶら下がったまま過ごします。
樹にぶら下がったまま、ほとんど動かずじっとしているので、毛に苔が生えることもあります。またその苔を食用にしています。
日中は頭を前足の間に入れ、枝に張り付くようにして丸くなって寝るので、遠くから見ると樹の一部に見えます。
また年齢を重ねたものの被毛には、藻類(そうるい)が生えることがあり、遠目には樹皮(じゅひ)に見えます。
これらは天敵から身を守るための擬態(ぎたい)となっています。
7~10日に1回ほど樹から降り、地上で排泄・排尿を行ないます。ちなみにこの時が一番天敵に狙われやすく危険です。
ナマケモノの食事は?
主食は木の葉や新芽で、1日に8g(葉2~3枚)ほど摂取しています。
ほとんど動かず行動も遅いので、基礎代謝量が少なく、少しの食事でも生きることが可能です。
むしろあまり多くを摂取しすぎるのは、かえって体に良くないそうです。
ナマケモノの天敵は?
ナマケモノは機敏(きびん)に動くことができないので、簡単に捕食されてしまうため天敵が多いです。
例えばジャガーやピューマ、オウギワシなどです。
パナマのバロ・コロラド島での研究の結果、オウギワシの獲物のうち50%以上がナマケモノだったそうです。
フタユビナマケモノとミユビナマケモノの違いは?
ナマケモノは2つの科で構成されると言いましたが、その違いはどこなのか見ていきましょう。
フタユビナマケモノ
フタユビナマケモノは前足の指が2本、後足の指が3本で、尻尾は全くないかわずかに痕跡(こんせき)があるくらいです。
泳ぐときに頭が水から出ないので、泳ぐことはできません。
またミユビナマケモノよりも気性が荒く、動作も素早いです。
ちなみに日本にいるナマケモノはすべてこのフタユビナマケモノです。
ミユビナマケモノ
ミユビナマケモノは前足と後足の両方の指が3本あり、小さな尻尾があります。
通常、哺乳類の頚椎は7個ありますが、ミユビナマケモノの頚椎は9個あります。
そのため首を270度回転させることができ、体を動かさずに周りの葉を食べることができます。
地上での動作は遅いですが、泳ぐのは上手です。
しかし、地上よりは速く上手というだけで、決して速いわけではありません。
日本の動物園ではミユビナマケモノは飼育していません。
あとがき
ナマケモノはのんびりしていて、一日中寝ていられるし羨ましいと思っていましたが、のんびりゆえの危険もたくさんあるのですね。
私たちが見ている分には、ナマケモノは癒し系な存在ですが、ナマケモノは内心怯えて生活しているのかもしれませんね。
そしてフタユビナマケモノとミユビナマケモノの違い。
分かりやすいのは、名前にも付いている指の数ですね。
これからテレビや動物園等で見る機会があれば、ぜひ指の数を見てどちらなのかを確認してみてください。