ここ最近起こる災害時のニュースなどで、目にすることが多くなった「避難情報」危険度や緊急度によって区切られていますが、正しく理解されていますか?
「避難勧告」や「避難指示」の違いや「避難準備」でやるべき事など、どこからどんなタイミングで出されているのかを知っておくことが大切です。
避難情報とは?
「避難情報」とは津波や台風、洪水、土砂災害、火山噴火、大規模火災、原子力火災(地震)など被害が及ぶ可能性が高い住民に対して地方自治体が発令できるものです。
2005年にはテロに関しても発令が可能になりました。
避難情報では、「避難準備・高齢者等避難開始」、「避難勧告」、「避難指示」の3種類があります。
後者になるほど危険度が高くなります。
避難準備・高齢者等避難開始とは?
「避難準備・高齢者等避難開始」は以前、「避難準備情報」と言われていたものですが、ここ最近の災害時にうまく伝わらないことも多く2016年12月から名称が変更になりました。
この情報が出た場合には今後、「避難勧告」や「避難指示(緊急)」などが発令される可能性が高いので、災害弱者は(高齢者や乳幼児、障がい者など)、「避難をするのに時間がかかりそうな人は避難を開始しましょう」と呼びかけるものです。
また、それ以外の方は「いつでも避難できるように用意をしておきましょう」という情報です。
避難勧告とは?
「避難勧告」とは「避難準備・高齢者等避難開始」より状況が悪くなってきていて、人的被害が発生する可能性がより高まった場合に発令されます。
この情報が出た場合はできるだけ早めに指定緊急避難場所などに避難するようにしましょう。
ですが、雨風が強くなったり、暗くなってしまい避難が困難、危険となった場合には、屋内での安全確保や近隣での安全な場所などに避難することも選択肢のひとつとして考えておくことが必要です。
避難指示(緊急)とは?
「避難指示(緊急)」とは、災害が発生するなど状況がさらに悪化し、人的被害の危険性が非常に高くなった場合に発令されます。
この情報が出た場合は、まだ避難していない人は、緊急に避難場所へ避難をしましょう。
ただしこの情報が出た時点では、逆に外への避難が難しいこともあるので、今いる場所での、より安全な場所に避難するようにしましょう。
こちらの名称も、2016年12月より「避難指示」から変更になったものです。
避難勧告と避難指示(緊急)の違いと強制力
避難勧告と避難指示(緊急)の違いは緊急性の差です
より人的、物的災害が起こる確率が高く近くまできているために被害が及ぶ地域住民に対して発令するものです。
これら2つは地震の場合に発令することは少なく、あってもその後の二次災害がおこりうる場合に発令することがあります。
またこれらの「避難情報」は、災害対策基本法60条も基づく発令であり絶対ではありません。
ですから避難をしなくても、罰金を支払ったり、捕まったりすることはありません。
避難命令=警戒区域の指定
避難命令という名称のものが日本にはありません。これに当たるものが「警戒区域の指定」と呼ばれているものです。
災害による危険を防ぐために、許可を得た者以外の立ち入りを制限・禁止して、許可なく区域内にとどまる人は強制的に退去させられます。
この警戒区域の指定は避難情報のなかで1番強いもので唯一罰則が科せられることがあります。
この情報が出るもっと以前に避難することが大切です。
まとめ
避難情報は、国の「避難勧告等に関するガイドライン」をもとに、各市区町村の長らが状況を確認して発令するものです。
市区町村の発令が遅れれば避難も遅くなります。
いざという時に慌てないように、日頃から避難ルート、避難場所を確認しておき、家族で話あっておくことも大切です。
また強制力等はありませんが避難情報は、順番に発令されるわけではありません。
「避難準備・高齢者等避難開始」「避難勧告」「避難指示(緊急)」などが出なくても、周りの状況を判断して早めの避難準備、行動を起こすようにしましょう。