潮時の意味と正しい使い方!「マイナスイメージ」の使い方は誤用!?

「そろそろ潮時だな」そんな発言を耳にしたことはないでしょうか。みなさんはこの「潮時」という言葉をどのようなときに使いますか?

もうこの辺が限界だから、そろそろ終わりにしようかな…というようなマイナスイメージを表している言葉だと思っている人もいるのかもしれません。しかし、それは潮時の使い方としては間違いです。

潮時という言葉は誤用されやすい言葉の一つなので、きちんと理解しておく必要があります。この記事では、潮時の正しい意味とその使い方についてご紹介します。

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潮時の意味とは?マイナスイメージは誤用?

潮時は「しおどき」と読みます。潮時には「潮が満ちたり引いたりする時」という意味と「物事を始めたり終えたりするのに適した時・好機」という意味があります。それぞれの意味について少し詳しくみていきたいと思います。

潮時の意味「潮が満ちたり引いたりする時」とは?

潮は訓読みでは「しお・うしお」、音読みでは「ちょう」と読みます。潮とは月や太陽の引力によって、周期的に海面の水位が高くなったり、低くなったりすることです。

「潮の満ち引き」という言い方を聞いたことがありますよね。潮が満ち海面が最も高くなる時のことを「満潮(まんちょう)」と言い、一方、潮が引き海面が最も低くなる時のことを「干潮(かんちょう)」と言います。

海面は1日に2回、満潮と干潮を繰り返すのですが、この現象を言い表した言葉が「潮時」です。

潮時の意味「物事を始めたり終えたりするのに適した時・好機」とは?

この記事のテーマであるもう一つの意味をみてみるとわかるように、潮時は物事を始める際にも、終える際にも使用します。

重要なのは、始まりにせよ、終わりにせよ、その物事において良いタイミングを表しているということです。

例えば「そろそろこの計画は潮時だ」という文章から考えてみると、「そろそろこの計画を始めるタイミングだ」と「そろそろこの計画を終えるタイミングだ」とどちらにも使うことができます。これはどちらもちょうど良い時期というプラスの意味で使われています。

しかし、終えるタイミングとして潮時が用いられる場合、もうダメだからと諦めて計画を終えようという意味で使われたり、そのような捉え方をされたりということがあります。

しかしそれは間違った解釈です。潮時が終えるタイミングとして使われていたとき、それは仕方なく終えるといったマイナスイメージではなく、終えることに対しても前向きな要素が含まれているのです。

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潮時はあくまで物事を行うのにちょうどいいタイミングとして使うのが正しい使い方です。ところがマイナスイメージとして使われているという事実もあります。そのことについては次で解説します。

潮時をマイナスイメージで使うのは誤用

文化庁による平成24年度に行われた「国語に関する世論調査」では、本来の意味とされる「ちょうどいい時期」で使う人が60.0%、本来の意味ではない「ものごとの終わり」で使う人が36.1%という結果が出ています。

本来の意味で使っている人の割合の方が多いものの、本来の意味ではない使い方をしている人も存在しています。

潮時をマイナスイメージで使うのは誤用なのですが、潮の満ち引きを表す言葉であることから、引くという言い方が「引き際」といった物事の終わりをイメージさせるためにこのような誤用が生まれたのかもしれません。

潮時の語源と使い方

ここからは潮時の語源と正しい使い方についてご紹介します。言葉の語源を知ることで、誤用を避ける手助けになると思います。

潮時の語源

潮時とは潮の満ち引きのことでしたね。そしてこの潮の満ち引きと深く関わりを持つのが漁師の仕事でした。

漁師にとって潮の満ち引きを見極め、船を出すタイミングを計るのは大切なことでした。漁師が潮時を見て、船を出す良い頃合いを見計らっていたことから、潮時が「潮の満ち引き」という現象だけではなく、「物事を始めたり終えたりするのに適した時・好機」という意味を表す言葉に転じていったようです。

漁師が漁に出るために最適な時期を見極めたのが潮時の語源であると覚えておくことで、誤用のようにマイナスではなく、正しくはプラスのタイミングを表しているのだと理解することができるのではないでしょうか。

潮時の使い方

それでは潮時の正しい使い方をみてみましょう。

料理が大好きな人が、いつか自分の店を出したいという希望を持っていたとします。そしていよいよその準備が整い、店を始める良い時期がきました。

このようなときに「今こそ念願の店を始める潮時だ」と使います。これから始まる新たなことに対する前向きな姿勢を表しています。

スポーツ選手が引退するのに自分にとって好ましい時期であると決めたとき「このあたりが引退する潮時だ」のように使います。物事をやめる際でも、「潮時」は自分にとってそれがいい意味での終わりを示しています。

まとめ

始まりでも終わりでも、ベストタイミングを表すのが潮時です。

わからない言葉を見つけたとき、それがその言葉を調べてみる潮時ではないでしょうか。

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