「彼女とは〇〇が合う」という言葉の〇〇には様々な言葉が入ります。
例えば「気が合う」や「息が合う」なんかはよく聞きますし、意味もなんとなく理解できますよね?
しかし、人によっては「馬が合う」や「そりが合う」とも言ったりします。この「馬」や「そり」とは一体何のことを言っているのでしょうか?
今回は「馬が合う」にどんな意味や由来があり、なぜ「馬」を使うのか?また、類語や使い方をご紹介します。
「馬が合う」の意味は?
「馬が合う」の意味を辞書で調べると「気が合う」「意気投合する」「相性が良い」などと記載してあります。
人対人の場合にも使われますが、異性(愛情表現ではなく)より同性の場合に使われることが多い慣用句のひとつです。
「馬が合う」は人同士だけではなく、「車とドライバー」や「楽器と奏者」などのように「モノと人」の場合にも使われることがあります。
「馬が合う」の由来
そもそも何故「馬」なのでしょう?鳥やたぬき、犬や猫など他にも動物はたくさんいるのにもかかわらず、あえて「馬」なのでしょうか?
「馬が合う」の由来は、もともとは乗馬で使われていた言葉だといわれています。日本での「乗馬」が盛んになってきた明治時代以降から使われていたようです。
それ以前、乗馬は楽しむものではなく、偉い人の乗り物でした。では、なぜ乗馬で使われるようになったのでしょう?
馬はとても神経質な動物で、乗る相手との信頼関係や、気が合う人でなければ乗りこなすことがとても難しい動物だといわれています。
馬と呼吸をあわせて、しっくりくるようになることではじめて乗りこなせるのです。人馬一体(じんばいったい)という言葉もあるくらい人と馬の関係は大切なものです。
そのようなところからも人だけではなくモノなどに対しても使われるようになりました。
「馬が合う」の類語
「馬が合う」は類語がいくつかあります。意味を正しく理解しておけばいろいろなところで使えると思います。
「馬が合う」の意味は「気が合う」「意気投合する」「相性が良い」などがあります。
似たような意味を持つ言葉では「阿吽(あうん)の呼吸」「息が合う」「足並みが揃う」「以心伝心」「そりが合う」などがあります。
ちなみに「そりが合う」の「そり」とは刀の反りのことで、「刀を収める鞘(さや)と刀の反り具合がきちんと合うことによって刀を納めることができる。」という意味から生まれた言葉です。
「馬が合う」と「息が合う」の違いとは?
「馬が合う」に似たこと言葉で「息が合う」を紹介しましたが、使い方には違いがあります。
「息が合う」は何かをするときに呼吸が合いタイミングがそろった場合に使います。どちらかと言えば阿吽の呼吸に近いですね。
「馬が合う」の場合は、動作より思考や相性が合う場合が多いです。由来をみると馬と呼吸を合わせることから出来た言葉ですが、使い方となると少し意味合いが違ってくるので注意が必要です。
馬が合う→思考や相性
「馬が合う」の使い方(例文)
「馬が合う」の使い方としていくつか例文を紹介します!
・あの2人はとても仲がよくて馬が合うようだ。
・なぜか、あの子とは馬が合うような気がする。
・やっと馬が合う楽器に巡りあえた。
・職場の上司と部下は喧嘩ばかりする。きっと馬が合わないのだろう。
いくつか使い方の例としてあげてみました。馬が合うは人と人の場合だけではなく、こうしてモノと人などにも使うことができる慣用句であることが例文をあげてみるとわかりやすいと思います。
また否定的につかう場合は、「馬が合わない」とはあまり使わず、この場合は「そりが合わない」と使うことが多いようです。例文の最後に使っていますが...
まとめ
「馬が合う」の意味や由来、そもそもなぜ「馬」なのか、また、類語や使い方についていかがでしたか?
乗馬をする人たちが使っていた言葉ということや、人間同士だけではなく、モノなど幅広く使えることもわかりました。
似たような言葉もたくさんあって使い方にも注意が必要ですね。