「しょうがない」や「しょうもない」という言葉があります。おそらく誰でも日頃からよく使っている言葉ではないでしょうか。
「しょうがない」や「しょうもない」について、あれこれと考えてみたことはありますか?あまりに当たり前すぎる言葉だと、あえて調べてみるという機会は少ないかもしれませんね。
そこで改めて考えてみると、「しょうがない」「しょうもない」を使ってはいるけれど、ではその意味を説明して!といわれたら自信ないかも。
それに、そもそも「しょう」って何?このように思ったりしませんか?
この記事では「しょうがない」「しょうもない」の意味と使い方について、「しょう」とは何のことかも含め、解説していきます。
「しょうがない」「しょうもない」とはどういう意味?その由来とは?
普段から何気なく使用している「しょうがない」「しょうもない」という言葉ですが、その使い方は合っているでしょうか?
それではさっそく「しょうがない」「しょうもない」の言葉の表す意味と、その由来についてみていきましょう。
「しょう」って何?「しょうがない」「しょうもない」の意味
「しょうがない」には「よい方法がない」「手に負えない」「仕方がない」という意味があります。
一方の「しょうもない」には「ばかばかしい」「つまらない」「くだらない」という意味があります。
「しょう」の後にある言葉(「が」と「も」)が違うだけで意味も変わってしまいます。
また「しょうがない」「しょうもない」は本来「しようがない」「しようもない」であり、漢字で「仕様が無い」「仕様も無い」と書きます。
漢字で書くとわかる通り、「しょうがない」「しょうもない」で使われているこの「しょう」とは「仕様(しよう)」のことで、「仕様」とは「やりかた」「方法」「手段」を意味します。
本来の言い方の「しよう」が「しょう」となった理由としては、「しよう」が話すときにより発音しやすい「しょう」に次第に変化をし「しょうがない」「しょうもない」という言い方ができたのではないかと思われます。
「しょうがない」「しょうもない」の由来
「しょうがない」は、方法・手段の意である「仕様」に否定の「無い」を組み合わせた言い回しで、「方法や手段さえもない」という意味として使用されていました。
それがのちに手段がないことから諦めの意味として使われるようになったと言われています。
また、「しょうもない」は手段や方法もないことを行おうとしたり、考えたりするのは無駄なことであるので、「つまらない」を意味するようになったそうです。
江戸時代以降には、「性もない」という当て字で書かれた例もあるようです。
これらが「しょうがない」「しょうもない」の由来とされており、「しょうがない」は諦めの「手に負えない」や「仕方がない」という意味を、「しょうもない」は無駄だということから「つまらない」や「くだらない」という意味を表すようになりました。
「しょうがない」「しょうもない」の使い方
では実際に「しょうがない」「しょうもない」はどのように使えばいいのかを、例文とともにみていきましょう。
「しょうがない」の使い方・例文
・着ようと思っていた服が乾いていなかったので、気に入らないけど違う服を着るしかしょうがない
・外で遊びたいと駄々をこねる男の子に、雨が降っているのだからしょうがないでしょうと、困った顔でお母さんがなだめていた
・数学の苦手な私に、その問題の解き方を聞いてもしょうがないよ
・そんなにイライラしたってしょうがないでしょう?道が渋滞しているのだから
・彼に頼まれてしょうがなくその仕事を手伝った
このように、「どうにもならない」「手に負えない」「仕方がない」という諦めの感情をともなうときに「しょうがない」を使います。
「しょうもない」の例文
・しょうもないことを言ってないで、早く支度をしないと遅刻するよ
・彼女は、しょうもない話なんだけどさ、と会話の最初に言う癖がある
・しょうもないテレビ番組ばかり観てないで、さっさと宿題をしなさい
・今の話は何を言いたいのかよくわからなくて、本当にしょうもない
・今日は友達としょうもないことで喧嘩をしてしまった
「つまらない」「くだらない」といった、どうでもよいと感じるようなときに「しょうもない」を使って表現します。
まとめ
「しょうがない」「しょうもない」について説明してきましたが、みなさんは正しく使えていましたか?
友達同士でしょうもない話をして楽しむのもいいですが、「え?そんなことも知らないなんてしょうがないね」などと人から言われないように、たまにはためになる話をして盛り上がってみてはいかがでしょうか。