「土用の丑の日は何の日」って聞くと、多くの人は「うなぎを食べる日」と答えますよね。
でも、「土用の丑の日はいつ?」って聞かれると、「さあ、いつだっけ」となります。
今回は、今年(2018年)の土用の丑の日はいつなのか?土用の丑の日にはどんな意味があるの?うなぎを食べる由来は?うなぎが苦手な人のために、うなぎ以外の食べ物も一緒に紹介します。
今年(2018年)の『土用の丑の日』はいつ?
一般的に、『夏の土用の丑の日』のことを『土用の丑の日』と呼んでいますが、春・秋・冬にも土用の丑の日はあります。
今年は以下の通りです。
冬の土用の丑の日:1月21日(日)、2月2日(金)
春の土用の丑の日:4月27日(金)
夏の土用の丑の日:7月20日(金)、8月1日(水)
秋の土用の丑の日:10月24日(水)、11月5日(月)
このように2日ある場合は、『一の丑』、『二の丑』と呼びます。
ちなみに冬は、寒(かん)の土用の丑の日と呼ばれています。
よく土用の丑の日を、土曜日だと勘違いしてしまいますが、これから土用の丑の日の意味を解説します。
『土用』の意味とは?
土用は、中国の五行『五行思想(ごぎょうしそう)』、『五行説(ごぎょうせつ)』に由来する暦です。
五行(万物は木、火、土、金、水の5種類の元素からなる自然哲学の思想)では、春は木、夏は火、秋に金、冬は水を割り当て、残った土は季節の変わり目に割り当てられ、これを土用と呼びます。
土用の期間は、四立(しりゅう)『立春(りっしゅん)、立夏(りっか)、立秋(りっしゅう)、立冬(りっとう)』の直前、約18日間(17日~19日)のことです。
『丑の日』の意味とは?
昔の暦では日付にも十二支(干支)を使っていました。
「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・・・」の丑です。
今でも、たまにカレンダーで見かけますよね。
つまり土用の丑の日は、土用の期間(四立の直前の約18日)にある『丑の日』のことです。
『土用の丑の日』にうなぎを食べる由来
うなぎを食べる習慣には諸説ありますが、最も有名な説は、江戸時代の天才、平賀源内が発祥です。
・平賀源内説
うなぎは晩秋~冬が旬のため、夏場はうなぎが売れませんでした。
困ったうなぎ屋は平賀源内に、夏でもうなぎを売る方法はないかと、相談に行きました。
源内はうなぎ屋の看板に、『本日、土用の丑の日』と書いた張り紙をしました。すると、そのうなぎ屋は大繁盛しました。
その後、他のうなぎ屋もどんどん真似をして、『土用の丑の日はうなぎ』が世の中に広まったとされています。
平賀源内以外の説
・春木屋善兵衛(はるきやぜんべい)説
江戸時代に出版された、飲食店などを紹介するガイドブック『江戸買物独案内(えどかいものひとりあんない)』に、春木屋が『丑の日元祖』として紹介されています。
ある時、うなぎ屋の春木屋に大名から大量の蒲焼きの注文がありました。
このうなぎ屋の主人、春木屋善兵衛は、子の日、丑の日、寅の日の三日間でうなぎを焼き、土蔵に保存しておいた所、丑の日に作った蒲焼きだけが悪くなりませんでした。
この丑の日に作った蒲焼きが、大名にとても喜ばれ、『丑の日元祖』になったとされています。
・蜀山人(しょくさんじん)説
江戸時代の狂歌(きょうか)師、蜀山人こと大田南畝(おおたなんぽ)が、『丑の日にうなぎを食べると病気にならない』という内容の狂歌を作って宣伝したことが始まりとされています。
・丑=うなぎ2匹説
墨汁を使って書いた『うし』の文字が、まるで2匹のうなぎのように見えたから(笑)
うなぎ以外の食べ物
土用の丑の日は『う』の字がつく食べ物でOK!
・牛肉(うし)や馬肉(うま)
牛肉はいかにもスタミナがつきそうですし、馬肉はヘルシーで体に優しいですよね。
・うどん
うどんは食欲が無い時でも、食べやすくて消化吸収にも優れています。
・梅干し
梅干しひとつでご飯も進みますし、夏バテ防止になります。
・瓜(うり)
瓜と言うとピンとこないかもしれませんが、夏野菜の定番、胡瓜(きゅうり)、南瓜(かぼちゃ)、西瓜(すいか)などがあります。
私は馬刺しが大好きなので、丑の日は馬肉を食べたいと思います。
あとがき
『土用の丑の日』=『うなぎを食べる日』だと思っていた私ですが、調べたらたくさんの事がわかりました。
近年はうなぎの漁獲量も減っており、絶滅危惧種にも指定されています。
もし丑の日にうなぎの価格が高騰していたら、うなぎを食べない選択肢もありますね。