責任を負いかねます・責任を負いかねません・責任を負いませんの意味

「責任を負う」という言葉があります。これは「負う」を言い換えると責任を取るという意味です。

この責任を負うという表現が、「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」といった言い回しになった時、その意味の違いがわかりますか?

結局のところ、責任を負うの?負わないの?と混乱してしまいますよね。

「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」これら三つの違いはどこにあるのでしょうか?

この記事ではそれぞれの意味とその違いについて考えてみたいと思います。

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「責任を負う」とは?

「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」の意味と違いを考える前に、まずは「責任を負う」という言葉の意味から詳しくみてみましょう。

「責任」「負う」の意味

「責任」とは、「自分のかかわった事柄や行為の結果に対して負う義務や償い」のことを言います。「自らの言動に対して責任を持つ」などと使います。

「負う」とは、「負担となるようなことを引き受ける・かぶる」ことです。「国民は憲法で『教育の義務』『勤労の義務』『納税の義務』を負うと定められている」このように自分が引き受けるものに対して「負う」と使います。

「責任を負う」の意味

「責任」と「負う」を組み合わせた「責任を負う」とは、「自分のかかわった事柄や行為により生じた結果を、自らが引き受けること」を表した言い方となります。

「全ての責任は私が負うから、君の好きなようにやってみなさい」このように言ってくれる上司に出会えたらありがたいですね。

「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」の意味

さて、ここからは「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」というそれぞれの意味をひとつずつみていきましょう。

「責任を負いかねます」の意味とは?

まず、「責任を負いかねます」の「かねます」は漢字で「兼ねます」と書きます。

「兼ねる」には「二つ以上の役割をあわせ持つ」「一人が二つ以上の職を受け持つ」などの意味があるのですが、「責任を負いかねます」の「兼ねる」の場合は、「しようとしてもできない」「…することがむずかしい」との意味で使われています。そしてこの用法は動詞の連用形に付く形で用いられるのが特長です。

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このことを踏まえて考えると、「責任を負いかねます」が表す言葉の意味とは「責任を負うことがむずかしいです」つまり「責任を負うことはできません」ということを言っているのです。

「責任を負いかねません」の意味とは?

こちらも「責任を負いかねます」に同じく、「かねません」は「兼ねません」と漢字で書きます。

先ほど説明したように、「兼ねる」は動詞の連用形に付く形で「できない」という意味でしたが、その「兼ねる」が同じく動詞の連用形に付き「〇〇かねない」の形になると、「〇〇するかもしれない」「〇〇しそうだ」という、〇〇する可能性のあることを表す意味となります。

「責任を負いかねません」とは「責任を負うかもしれません」という意味なのです。

「責任を負いません」の意味とは?

「責任を負いません」は最初に説明した「責任を負う」の否定になります。「負う」のではなく、「負わない」のですから、「責任は取りません」という意味になります。

「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」の違い

「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」のそれぞれの意味がわかったところで、今度はこの三つの違いについて考えてみます。

「責任を負いかねます」は「責任を負いません」と同じ意味

「責任を負いかねます」という表現は「責任を負いません」と同じことです。しかし、「責任を負いません」という言い方は「負わない」ことをストレートに表しているのに対し、「責任を負いかねます」は少し遠慮がちに「負わない」ことを表しているという違いがあると思います。

駐車場などで、「当駐車場内で起きた事故・盗難などのトラブルに対しての責任は負いかねます」という注意書きを目にすることはありませんか?この注意書きは「責任を負わない」ことを主張しています。

「責任を負いかねます」「責任を負いません」はいずれも「負わない」ことに変わりはないのですが、「負いかねます」の言い回しの方が丁寧な印象を受けるのではないでしょうか。

「責任を負う」可能性があるのは「責任を負いかねません」

「責任を負いかねます」「責任を負いません」とは違って、唯一「責任を負う」可能性があるのは「責任を負いかねません」という表現です。

責任を負うかもしれないし、負わないかもしれない、このどちらもあり得るのが「責任を負いかねません」です。

「責任を負いかねます」「責任を負いません」のように、「負わない」という意味では使用しないので、「負いかねません」の場合は「責任を負う」可能性があることを念頭に置いておかなければなりません。

まとめ

「責任を負いかねます」「責任を負いかねません」「責任を負いません」、責任を「負う」と「負わない」とでは全く意味が違ってきてしまうので、正しく理解をして、しっかりと使い分けができるようにしておくとよいでしょう。

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