「まことしやかにささやかれる噂」このようなフレーズを聞いたことはありませんか?
ここで使われている「まことしやか」という言葉、どのような意味であるのかをご存知でしょうか。
「まことしやか」が使われる話は嘘なのか?真実なのか?そのような疑問が浮かんできますよね。
この記事では「まことしやか」の意味や使い方、例文をご紹介します。
嘘かまことか?その答えを確かめてみましょう!
「まことしやか」の意味とは?
「まことしやか」には、「本当ではないのに、いかにも本当らしいさま」「真実をよそおうさま」という意味があります。
つまり「まことしやか」は、あたかも本当のようにみせているだけで、実際は嘘であることに使う言葉といえるでしょう。
「まことしやか」を漢字で書くと?
「まことしやか」と辞書で調べると、「実」や「真」という漢字をそれぞれの辞書によって表記しています。
「実」も「真」も「まこと」と読み、どちらも「本当」「嘘偽りのない」という意味を持っています。
ですから、「まことしやか」を漢字で表す場合、「実しやか」でも「真しやか」でも、どちらの表記を用いても問題ないと思われます。
中には「うそ偽りのない心」の意味を持つ「誠」の漢字を使って、あえて「誠しやか」と書く人もいるようです。
「まことしやか」の語源
「まことしやか」の成り立ちはというと、「まことし」と「やか」とに分けて考えることができます。
「まことし」とは、古くからの言葉で、「本当だ」という意味です。そして「やか」は状態を表す単語に付いて「いかにもそれらしい様子である」ことを表します。
例えば、
・華やか(明るく美しいさま)
・穏やか(静かでのどかなさま・落ち着いていて物静かなさま
・和やか(やわらかなさま・穏やかなさま)
などの「やか」もそれにあたります。
本当だという意味の「まことし」に、いかにもそれらしいさまを表す「やか」が付き、「まことしやか」という言葉となって、「いかにも本当らしいさま」という意味で使われるようになるのです。
「まことしやか」の使い方・例文
「まことしやか」の意味がわかったところで、その使い方や例文をみていきましょう。
「まことしやか」の使い方
「まことしやかにささやかれる」「まことしやかな噂」このように使うことが多いと思いますが、「まことしやか」とは本当ではないことを、いかにも本当らしくよそおうことなので、真実ではないことに対して使います。
ですから、この場合のささやかれている話や噂は、嘘か真実かを考えると、それは嘘ということになります。
「まことしやか」の例文
・父親が若い頃の武勇伝を、まことしやかに語るものだから、すっかり信じてしまった
(父親が若い頃の武勇伝を、いかにも本当らしく語るものだから、すっかり信じてしまった)
・この学校でまことしやかに伝えられている怪談は、先輩が考えた作り話だ
(この学校で真実のように伝えられている怪談は、先輩が考えた作り話だ)
・嘘のニュースが、まことしやかに報道されたが、その日はエープリルフールだった
(嘘のニュースが、本当であるかのように報道されたが、その日はエープリルフールだった)
どの例文も「まことしやか」を、本当のように言われていたけれど、実際には嘘だったという意味での使い方をしています。
まとめ
「まことしやか」とは本当ではないことを、まるで本当のようによそおうさまです。
まことしやかにささやかれる噂は、「嘘」であって「真実」ではありません。
都市伝説のような誰もが多少の興味を持つであろう「まことしやか」な話は、一つの話題として面白おかしく聞くことができても、初めから人を騙すつもりの「まことしやか」な話は気分の良いものではありませんね。
「まことしやかな話なのだけど…」と聞かされたら、それは本当の話ではないのだと、最初から疑ってかかりましょう。「まことしやか」な話にはくれぐれも惑わされないようにしたいですね。